3月13日時点でミシェル・バローさんに対して思っていることメモ

 

 

 

 

 とんでもないお役とまた出会ってしまった。そう思わざるを得ないマイ初日から寝て起きて仕事して13日の夜のメモ。

 

この記事には宙組大劇場公演『カジノ・ロワイヤル』のネタバレが含まれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 はじめて「彼」を観たその直後の私は、桜木みなとさんのプロローグのあまりのカッコ良さとフィナーレの妖艶さと溌剌な笑顔に脳が沸騰してしまい、演じるミシェル・バローさんについて考えられるようになるまでだいぶ時間がかかってしまったなと思いつつようやく頭が働いてきました。

 

 マイ初日を無事に終え、少し落ち着いてから彼について思っていることを今後の自分のためにまとめました。ミシェルさんのことは以下敬称略で書きます。

 

 

 

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 わかりやすく描かれている表層とその一枚下の彼。

 

 ご本人と脚本家の先生のお考えには反しているかもしれないのですが、脚本と桜木さんのお芝居の力とによって、客席のほっこり笑いをたいへん多く獲得しているコメディ担当らしさのあるミシェル。私もその笑い声のうちの一人であり、絶妙な台詞回し、声の質、表情と身体の動きに「ずんさん、すげぇーーー笑ってしまうわこんなん」とご時世を考慮して笑い声を極力堪えつつ堪えきれずにふふと笑ってしまいます。

 ミシェルのどのシーンのどこがどう可愛いのか、どこが面白いのか、それは見れば委細承知といった当然具合、そしてそれはTwitterで「ミシェル」「ずんちゃん」「みしぇる」等で検索していただいたい方が素晴らしいファンの皆様のステキなレポが見つかると思いますのでぜひ検索していただければと思います。

 

 そしてそんな彼のかわいらしく笑いを誘う振る舞いがどうしても強く印象に残るけれど、もう一つ、いやほんとはもっとたくさんの「本当」があるはずで。

 

 彼はデルフィーヌの興味を惹きつけるほどの「熱意」を持っていた、はずなんです。今の世の中を変えたい、若者たちで立ち上がるんだ、……それを、ただ言ってるだけじゃなくて、行動に移して人の心に火をつけて仲間たちを増やしていけるほどの熱意が。

 

 ナイトクラブでの銃撃戦の最中、ボンドに話しかけられた時でさえ、「世の中を変えたい。それだけだ!」みたいなセリフを澱みなく言い切って駆けていったミシェル。それも決して嘘ではなくて、彼の本当なんだと思う。

 

 本編で3回、歌うシーン。

 はじめは「ミシェル」としての登場シーン、(やたら歌の上手い)学生運動のリーダーとして、デモで先頭を切り学生たちの真ん中で情熱込めて歌い上げるシーン。自由、平等、今の世界を変えたいと団結している若者たちの真ん中で、強く歌い上げるミシェル。

 2度目はバルコニーでデルフィーヌと会う前。ちょっとその後の怒涛のオモシロ展開のインパクトで本当に歌っていたか自信ないけど、波の音をBGMに黄昏てたシーンは少なくともあったはず。この時もうすでに、「ここまで来てしまったけどどうしよう」「学生運動に戻れるだろうか」焦燥というか諦念みたいなものもチラついていて、どうしたらいいんだろう、っていう気持ちが滲んでいた。

 3度目は2幕、縛られて運ばれている時のソロ曲。この場面ではもう既に登場時のデモの情熱は冷めてきていて、でもずっと求めてきた理想は抱えていて、「自由、平等、博愛」「一度見た夢 同じ夢はもう見れない」みたいな歌詞があった。(記憶に自信がないのはもう何度も書かなくていいですかね、全てうろ覚えです……。)最後に、「誰を愛するのか」「明日を信じていたいのに」といった旨の、痛切な声の響き。さすがの桜木さんの歌唱、ミシェルの戸惑いとか切実さとか、どうしたらよかったんだろう、っていう悔いみたいなもの、でも自分にできることはしたんだよなぁ、みたいな感情もあったんじゃないかな……

 

 拷問室でデルフィーヌに会って、素直な思いを打ち明けるミシェル。ノルマンディの漁村で生まれた彼が、下町育ちのアナベルとの方がくつろぐ……のくだりはまあきっと皆さん色んなご意見があるとこかなとは思うのですが。「そんな世界を変えようとしてたんじゃない!」って怒るデルフィーヌ。どうなのかな、このあたりでミシェル、今現在の自分の気持ちを整理してたりするんだろうか。結局アナベルが引き取ってくれるところではデルフィーヌの方を寂しそうに見つめてたけど。

 

 そうして最終的には真実の愛に巡り合って、とそこはもうねアナベルちゃんありがとうねみたいな気持ちがあったりもするんですが、

 

 世界を変えたい!!という熱意についてはどうなったん???

 

 というのが昨日からずっと気になってるんです私は……!!

 3回も歌って語ってたにしては、最後そこらへんは特に触れられずに終わってしまうのが本当になんかもう、アーーーッッまあ主役サイドじゃないもんねだけどさぁぁあ教えてくださいその心境!!!って感じ……

 

 アナベルちゃんと二人逮捕されて連れて行かれて、そのあとの彼がどう思い、どう考えて、どんな道を選んで生きていったのか。知ることのできる機会があったらぜひ知りたい。私がファンじゃなくてずんさんの友人だったらLINEで聞いてた。LINEやってるか知りませんが……

 

 

 まだまだ書きたことあるのですがキリが良くまとまったのでここまでにしておきます……学生運動のこと、五月革命のことを勉強してもっと考えたいな。